先日、弊所のお手伝いしているマンション管理組合で、とある組合員の方からご相談をいただきました。
「マンションで一人暮らしをしていた高齢の親戚が亡くなってしまい、発見されたのが数日後だったので、対応が大変でした。
うちのマンションでも何か取り組みはできないかしら。」
このようなご相談を基に、理事会でお一人住まいの高齢者対応について検討いたしました。
・管理会社にお部屋の鍵を預かってもらいましょう
・警備会社にお願いしてみては?
・役員がお部屋の鍵を預かりましょう
・見回り隊を結成してみては
・警察にお願いしましょう
等様々なご意見がでましたが、セキュリティ面やコスト、プライバシー、理事会や管理会社に相当な負担がかかるため実現が難しく思案に暮れていました。
そんな中、とある役所の方に
【独居・高齢者世帯に対する緊急通報装置の貸与サービス】
について教えて頂きましたのでご紹介いたします。
行政のマンション高齢者対応|緊急サービス・見回りサービス
・行政と連携する警備会社にお部屋の鍵を預けることができます。
・お部屋に緊急通報装置を設置することができます。(外部の連絡が可能)
・緊急通報があると、安全確認や安否確認のため、警備員が急行し、救急車の手配など必要な対応を行います。
対象者:主に65歳以上の一人暮らし高齢者(加齢による慢性疾患があるなど、日常生活を営むうえで常時注意を要する方)
負担額:利用者の負担額については、各自治体により異なりますが、無料で提供している自治体がほとんどです。
貸与機器:「緊急通報装置本体」と「ペンダント型発信機」をセットで貸与
希望により「火災センサー」や、24時間扉の開閉がない場合に自動で通報をする「ライフリズムセンサー」を追加することもできます。
ライフリズムセンサーは一定時間お部屋の中で動きを感知しない場合、作動するものです。
各行政の高齢者対策・緊急サービスの比較(参考)
首都圏の6自治体の対象者と利用料(HP記載)について、ピックアップしてみましたので参考までにご覧ください。
マンションの二つの老い|高齢者対策
マンションは二つの老いを抱えていると近年指摘されています。
建物だけではなく、住んでいる居住者も当然歳を重ねて参ります。
残念ながら孤独死をされてしまう方も年々増加傾向となっております。
また、孤独死による資産価値の低下について懸念される管理組合様も増えつつあります。
一人暮らしのご高齢の方が住んでいらっしゃるマンションの管理組合は、このような行政のサービスの導入について検討してみてはいかがでしょうか。
余:冒頭ご紹介しました管理組合では、ご高齢の世帯にお声がけして一斉に行政のサービスの手続きをすることとなりました。